今まで愛斗に向いていた視線が今度は私に移る。



探るような、観察するような視線。



私もそれを真っ直ぐに見つめ返した。



「はぁ、そうね…。」



「ほんとに、聞きそうもない。」



どうやら葉月と、皐月はわかってくれたようだ。



ほかはどうだろう…



私は部屋をぐるりと見渡した。



2年生の先輩達は何とか納得してるみたい…?



新さんも…問題は長月ちゃんかしら



「…ゃだ……嫌だ、何がなんでも私は弥生を助ける!!小さい頃から一緒にいて、急に弥生だけがいなくなるなんて…そんなのないよ…!!だから、弥生が行くのを止められなかった時は、私は全力で弥生を助けるの!連れ戻す!!」



行くことに対しては反対していない長月ちゃん…



ただ、私が帰ってこないことが問題みたい。



私は何も言わずに長月ちゃんに抱きついた。



「ありがとう…ありがとね、長月ちゃん。」



私と長月ちゃんは、少しの間そのままだった。





「よし、それじゃあ練習、行こっか!明日なんでしょう?」



急に長月ちゃんが私から離れてそう言った。



落ち着いた…?