奇跡を起こした12の月光




「はい、でも、明日のために私はたくさんの練習を積み重ねてきたんです。私だけで行けるところまでやるわ」



絶対にやってみせる。



あれは…あの渦は、一種の扉だ。



それなら私が鍵となり永遠に閉じて内側から消滅させればいい。



終わったあと私が戻れるかは分からない。



でも、私はそれでいい。



「桜は…?行くの?」



『えぇ、行くわ。私だってペット界のトップよ?』



「そんな……?!」



誰に何を言われようと私の意思は変わらない。



「音川…本気なんだな?」



「はい、本気です。じゃなければこんなこと言いません。」



「…はぁ、弥生は本当に頑固だな。」



「愛斗に言われたくないわよ。」



俺様だし…ってこれは関係ないわね



「わかった。俺はもう何も言わない。」



『愛斗に同じくだな』



「「2人とも心配じゃないの?!弥生達が!」」



葉月と、皐月が愛斗に問いかけた。



「あれは何言っても聞かないよ。心から決意してるんだ。みんなを助けるために自分一人だけの犠牲でいいなら構わないと。」



愛斗……



とことん彼には助けられるわ。