伝えていいの?
元はと言えば、この件は私が生まれたことによるもの。
生まれてきただけでも、ただでさえ迷惑かけているのに…
これ以上迷惑かけたくない。
だから私は今まで魔法の練習を頑張ってきた。
みんなの力を借りるのは、ホントのホントに最後の手段だって。
私ひとりで何か出来ることではない…
でも、どうしても…
この大災厄は死者が出る可能性が高い。
桜には協力してもらうけど…
死者は出したくない…。
絶対に!
「……言わない。直前までは…。それに、私の最後の秘密、本当の姿見してないし、こんな大災厄が起こることなんてみんな知らないもの。余計な心配かけたくない…」
何より、明後日は学園祭。
なんとしてでも、学園祭はみんな参加して欲しい。
長月ちゃんや、新さんにとっては最後の学園祭だもの。
隣からはため息が聞こえた。
『何も伝えて貰えない方がよっぽど辛いわよ。』
そんなこと、わかってる!
ただの自己満足だってこともわかってるわよ!
「これは、12人揃わないと絶対に終わらない大災厄。みんなには最後の最後だけやってもらえばいい。もちろん桜にだって迷惑かけないようにするわ──」
『いい加減にして!』
