学園祭が1週間後と迫ってきた学園は、少し浮き足立っていた。
Sクラスの演劇は、ほぼ完成したと言っても過言ではない。
今日は、もっといいものにできるよう最終調整を行いながら練習していた。
「今、ひと通り通してみたけどなにか質問とか、もっとこうしたらいいんじゃない?とかある?」
新さんの言葉に葉月が反応した。
「はい!裏で弥生や愛斗を始め、裏にいる人達が舞台に魔法を使って、ストーリーが進んでいくじゃないですか?あの、魔法を競技場全体に広げることって出来ますか?」
うちの学園祭での演劇は、競技場に簡易的な、でもとても豪華な舞台が作られる。
その舞台には、すごく薄い強固なシールドが張られ、外に魔法が漏れないようになっている。
その影響もあり、迫力や臨場感などが抑えられてしまうのだ。
「そうね…今までそういったことをやって来なかったからなんとも言えないけど…やってみる価値はあるわね。」
長月ちゃんの言葉に新さんは頷いた。
でもさ、それって結構な広範囲に魔法を広げるってことよね?
難しくないかしら?
私は思ったことを言ってみた。
それにより、また考える新さん達。
