「……い…ょぃ……弥生。」
ん…?
この声は…葉月……?
「……は、づき…?」
「えぇそうよ。それに皐月もいるわよ。」
私はちらっと葉月の隣へと目を向けた。
あっ、ほんとだ…。
はぁ、このくらい前の私なら余裕で気づけていたのに…
やっぱり早く治さないと…
「やっほ〜!愛斗くんから聞いたわ、体調はどう?」
「うん、スッキリしたわ。」
あれはやっぱり一時的なものだったのかしら?
それとも、夢の影響がなくなりつつあるのかしら…
まぁ、どっちにしたってこれからこんなことは起こって欲しくない…。
正直に言ってすごく沈む…
空気も気持も…
はぁ…
私はため息をついた。
「あのね弥生ちゃん!学園祭ね、うちのクラスからは演劇を候補としてあげといたよ!弥生ちゃんはそれで大丈夫?決まってるのに聞くのもあれだけど…」
演劇かぁ…
それくらいなら私は裏方の方に回れると思うし…
「大丈夫よ。ごめんなさい、今日行けなくて…」
「何言ってるのよ、弥生は。体調が悪いのに無理してこなくていいわ。」
「うんうん!でも、体調が悪いなら言って欲しいな〜…」
ダメ?と上目遣いで聞いてくる皐月。
それは反則です…皐月さん…
女の私でもドキッとしてしまうのだから…
「気をつけるわ。」
私は呟くようにして言った。
「あっ!そろそろ下に行かないとご飯食べ損ねちゃう!弥生ちゃんは食べれそう?」
う〜ん…
今は少し落ち着いてるし…
私は少しだけならと皐月に言って3人でリビングへと向かっていった。
リビングへつくと、いい匂いがした。
「おまたせ!!すごーい!愛斗くんがこれ全部作ったんだよね?!」
皐月のキラキラした声が聞こえた。
