奇跡を起こした12の月光




愛斗も気づいたのか慌てて手を離した。



「これは…その……」



その愛斗の慌てっぷりが面白くて、私は笑ってしまった。



桜も微笑ましそうに見ている。



「なっ…はぁ……弥生大丈夫か?熱は測ったのか?」



諦めたのかそう聞いてくる愛斗。



少し耳が赤くなってるのは気にしないでおこう。



「測ってないわ。でも、私が寝ている時、桜がなにかしてそうね。」



『弥生、わかっているじゃない。私は弥生の母親代わりだっていったでしょう?もちろん弥生の熱なら測ったわよ。』



「桜、何度だったんだ?」



私は桜の方を向いて首を少し横に振った。



気付くか気づかないかくらい小さく。



桜は、はぁ…と溜息をつき、愛斗に言ってくれた。



『熱はあったけど、そこまで心配しなくてもいいわ。明日には治るわよ。』



「本当に?」



愛斗が私の方を見てそう言ってくるから私は本当といった。



すると、愛斗は安心したのかホッと息をついた。



「愛斗、学園祭何になったの?」



今日は学園祭のこと決めてたのよね?



私は気になって愛斗に聞いた。



「あぁ…知らない…。それぞれが意見を出してたけど、決まる前に抜けてきたから…。」



何してるの…?!