愛斗も気づいたのか慌てて手を離した。
「これは…その……」
その愛斗の慌てっぷりが面白くて、私は笑ってしまった。
桜も微笑ましそうに見ている。
「なっ…はぁ……弥生大丈夫か?熱は測ったのか?」
諦めたのかそう聞いてくる愛斗。
少し耳が赤くなってるのは気にしないでおこう。
「測ってないわ。でも、私が寝ている時、桜がなにかしてそうね。」
『弥生、わかっているじゃない。私は弥生の母親代わりだっていったでしょう?もちろん弥生の熱なら測ったわよ。』
「桜、何度だったんだ?」
私は桜の方を向いて首を少し横に振った。
気付くか気づかないかくらい小さく。
桜は、はぁ…と溜息をつき、愛斗に言ってくれた。
『熱はあったけど、そこまで心配しなくてもいいわ。明日には治るわよ。』
「本当に?」
愛斗が私の方を見てそう言ってくるから私は本当といった。
すると、愛斗は安心したのかホッと息をついた。
「愛斗、学園祭何になったの?」
今日は学園祭のこと決めてたのよね?
私は気になって愛斗に聞いた。
「あぁ…知らない…。それぞれが意見を出してたけど、決まる前に抜けてきたから…。」
何してるの…?!
