~弥生side~
「……んっ…」
私は微かに誰かの気配を感じて目を覚ました。
寝たからか、少しは治ったけど、まだ体が鉛のようだわ。
目だけを動かして部屋を見渡す。
すると、少女の姿をした桜と目が合った。
『弥生、目が覚めたのね。今、愛斗くんがここへ来てるわ。』
桜はふふっと笑った。
何がおかしいのかしら?
まぁいいわ。
それよりこの気配は愛斗のだったのね。
まだ、学校の時間なのに…
わざわざ来てくれてるのだと思うとなぜだか心が温かくなった。
少ししてドアをノックする音が聞こえた。
今は普段部屋にいるから誰でも入れる。
「愛斗だ。入ってもいいか?」
「いいわよ。入って。」
ドアが開いて愛斗が入ってきた。
「やっぱりな。桜が元気だったことは知ってるが、この前のこともあって見に来て正解だったな。」
そういうと愛斗は私に近づき頭を撫でた。
ドキッ…
心臓がドキドキ言ってる。
なんで…頭なんか撫でられてるの…?
