奇跡を起こした12の月光





~弥生side~



「……んっ…」



私は微かに誰かの気配を感じて目を覚ました。



寝たからか、少しは治ったけど、まだ体が鉛のようだわ。



目だけを動かして部屋を見渡す。



すると、少女の姿をした桜と目が合った。



『弥生、目が覚めたのね。今、愛斗くんがここへ来てるわ。』



桜はふふっと笑った。



何がおかしいのかしら?



まぁいいわ。



それよりこの気配は愛斗のだったのね。



まだ、学校の時間なのに…



わざわざ来てくれてるのだと思うとなぜだか心が温かくなった。



少ししてドアをノックする音が聞こえた。



今は普段部屋にいるから誰でも入れる。



「愛斗だ。入ってもいいか?」



「いいわよ。入って。」



ドアが開いて愛斗が入ってきた。



「やっぱりな。桜が元気だったことは知ってるが、この前のこともあって見に来て正解だったな。」



そういうと愛斗は私に近づき頭を撫でた。



ドキッ…



心臓がドキドキ言ってる。



なんで…頭なんか撫でられてるの…?