『あら…フフッ。それじゃあここは水無月くんに任せようかしら?よろしくね。』
「はい。」
桜は元の姿に戻って弥生の部屋を出ていった。
────パタン
「…あ、愛斗?あの…そろそろ離れてくれないかしら?」
?!
やべ…まだ弥生を抱きしめていたままだった。
「ご、ごめん。」
「あ、ううん。別に、大丈夫だよ。それより、桜と彩雨さんから何か聞いたわよね…?」
「うん。勝手に聞いてごめん。聞いて思ったよ。俺、なんにも弥生にできることないじゃんって…」
「…がう……ちがう…愛斗はちゃんと…。」
弥生……
「うん。でもね、桜にも彩雨さんにも言われたよ。そんなことないって。なぁ、ほんとに俺って弥生の役に立ててる?支えになれてる?」
2人から言葉でちゃんと聞いたのに、自信がなくなって弥生にも聞いた。
今までで1番自信喪失してるかもしれないな…
情けない…
俺は心の中でそんな自分を嘲笑った。
「……愛斗は…愛斗はちゃんと私の事支えてくれてるよ。それに、葉月も、皐月も、神無月くんも、如月くんも。ここまで私の事心配してくれて、そして助けてくれて…そんなみんなにいっつも感謝してるの…。」
弥生……
そっか…俺、弥生の役に立ててるんだ。
今初めて自分に自信が戻ってきた。
そして、心の底から暖かい気持ちになれた。
