『弥生は普通の人より魔法を多く知ってるの。それに魔法を自分で作ることが出来るのよ。』
は?
多く知ってるはまだしも、魔法を自分で作れる……?
どんだけすごいんだよ。
「弥生…。なぁ、桜。弥生の残酷な運命ってなんだ?」
俺は彩雨さんから聞いた残酷な運命のことについて気になっていた。
彼女はそのことについて深く触れなかったし…
『それは……。』
桜は俯いて黙ってしまった。
これは聞いたらダメなことだったのか…?
『……それは、私からは言えないわ。弥生が言う時まで待ってあげて…。私が言ってしまったら、ダメなのよ……ごめんなさい。』
桜は泣きそうな、震えた声でそう言った。
やっぱり、弥生が言ってくれるまで待つしかないのか…
少しでも何か弥生の支えになれたらいいのに…
「……俺は…何も出来ないのか?」
こんな自分が情けなくて、俺は項垂れた。
弥生は大変なことも、辛いことも…なんでも一人で抱えている。
そんな彼女がいつか壊れてしまいそうで怖い…
『水無月くん…。そんなに気負いしないで…。水無月くんは今でも十分弥生の支えになっているわ。弥生のパートナーだから分かるのよ…。彩雨さんにも言われたでしょう?弥生、今までより明るくなったって…。』
それは……
『私も思うわ。ほんとに明るくなったって。それもみんなのおかげだと思っているのよ。』
桜…
