────コンコン
『はい。』
桜の声だ…。
桜は大丈夫なのか?
「愛斗です。」
『どうぞ。』
「失礼します。」
俺は目の前のドアを開けた。
すると、そこには見たことの無い、かわいい女の子がいた。
…は?
誰だ…?
『水無月くん、いらっしゃい。ここの場所は…彩雨さんにでも聞いたのかしら?』
フフッと笑う女の子。
声が……桜だ。
「桜…なのか?」
『えぇ、そうよ。それより、弥生に会いに来たのでしょう?なら、こっち。』
女の子…もとい、桜は俺を弥生の所へと連れていってくれた。
目の前のベッドで眠っている彼女…
「なぁ、桜は大丈夫なのか?弥生、倒れそうになったんだよな?でも、桜はこんなに元気…」
『私にも分からないわ…ただ、言えるのは、弥生のなにかの魔法で私が倒れないようにした…ということくらいかしら?』
……は…?
そんな魔法、なかったはずだよな…?
なのに、どうして…。
『不思議な顔をしているわね。この子が特別な子っていうのはさっき彩雨さんに聞いたかしら?』
俺は桜の言葉に頷いた。
桜はなんでも分かるのか?
この2人…ほんとにすごい…。
『その顔は当たっているのね。』
フフッと桜は笑った。
