~愛斗side~
「お嬢様は表面上は強くなっているけれど、心は…誰よりも弱くて脆い。だから愛斗様、これからも弥生お嬢様のお傍へいてあげてくださいませんか?あなたに出会われてから、ほんとに明るくなりましたら。今、私が頼れるのはあなたしか居ないわ。すごく自分勝手なのは重々承知の上です。承知の上で私はあなたにこのことを話させていただきました。あなたならきっと、お嬢様を………」
彩雨さん…
彼女から弥生への深い思いがとても届いた。
正直、弥生の抱えているものは大きすぎる。
弥生から直接言われないで、彩雨さんから聞くなんて…
俺もまだまだかな…
「俺に、できるかどうかは分かりません。ですが、これからも、弥生の傍にはずっといるつもりです。たとえ彼女から拒否されても…」
「愛斗様……」
彩雨さんは少し涙ぐんでいた。
弥生は愛されてるのな…
「弥生お嬢様はこの先の階段を上がって右手のお部屋にいらっしゃします。彼女はきっと疲れて眠ってしまわれているはずです。」
何から何まで優しすぎる彩雨さん…
「ありがとうございます。」
それだけを言って俺は弥生の部屋へと向かった。
