「うわぁ〜!!すっごく綺麗!!そしてひろーい!」
寮に着いた瞬間に日高さんがそういった。
誰もが思ったことだろう。
それを日高さんが代弁してくれたよう。
それにしても寮と言うよりは、豪邸…って感じ。
Sクラスとはいえ、お金のかけ方が半端ないわ。
どれだけお金持ちなのよ。
「弥生〜!!おーい!」
星川さんが私の目の前で手を振っていた。
「どうしたの?」
急にそんなことされたら、誰もが聞く質問だ。
「もうみんなそれぞれの部屋に行ってるわよ?弥生だけぼ〜っとしてたから呼んでみたの。」
星川さんに言われて周りを見渡すと、ここにいるのは私たち2人だけだった。
「ありがとう、教えてくれて。」
教えてくれたので、一応感謝の気持ちを伝えておく。
「いえいえ〜!そういや弥生って話聞いてた?」
ん?なんのこと?
私が寮の広さに圧倒されていた間に話が進んでたのね。
「やっぱり聞いてなかったか〜!あのね、ここの寮部屋が沢山あるから、部屋が余るのよね、だからそこは物置部屋みたいな感じの部屋にしよって。1人3部屋使ってもいいって!」