奇跡を起こした12の月光





「おかえりなさいませ、弥生お嬢様。そして、水無月様。」



「あっ、愛斗でいいです。」



「かしこまりました。」



彩雨さんが急いで私たちの所へと来てくれた。



「彩雨さん、私、部屋に行くわね。」



「かしこまりました。李桃様達が帰ってきたら言っておきます。愛斗様はどうなさいますか?」



「え、っと……俺は、、」



そういえば、愛斗勝手に連れてきてしまった…。



どうしましょう…



「愛斗…ごめんなさい。勝手に連れてきてしまって……あなたはもう、帰ってもいいわよ。」



自分で連れてきたくせにね…



帰ってもいいよって…



自分勝手すぎるわ…



でも、それしか思いつかなかったし…



嫌われてしまったかもね…



私は自嘲気味に笑った…。



「では、俺はこれで…。じゃあね、弥生。」



「…うん……」



それだけを言って私は逃げるようにその場を去った。



それに一刻も早く、部屋に戻らなくては…



私がやばい…



それに、みんなに心配かけてしまうわ。



私は部屋に着き、寝室まで行った。



そうして、ベットへ倒れ込むようにして意識を手放した。