奇跡を起こした12の月光





「まぁ、どうするかは弥生に任せるわ。それに、今すぐにってものでは無いしね…」



「椿、本題は言っていいか?」



「あら、ごめんなさい。そっちがさきよね。」



「あぁ…」



本題って?



私の周りにあった報告だけでは無いのかしら?



何も聞いてないのですが?



私はちらっと桜を見た。



桜はこっちを見ようとしていない。



まぁ、なにか隠してるってことは薄々気づいてはいたけどね。



「急だが弥生、今日の18時からNo.3貴族夜蘭(ヤラン)家パーティーがある。すぐに準備してきなさい。もちろん昼食の後でもいいぞ。」



はぁあ?!



ちょっと待ってよ!



だからね…



謎が解けたわ…。



私は桜をギロっと睨んだ。



桜は肩を竦めた。



はぁ、しょうがないわね…。



「分かりました。準備してきます。桜」



『はーい!』



私は部屋を出ると私の小さい頃からの世話係兼メイドの彩雨(アヤメ)さんがいた。



彩雨さんだけはさん付けで呼んでいる。



それ以外はさんつけないんだけどね…



なんかお母様がそう呼んでいたから自然と私もそうなった。



「お久しぶりです、彩雨さん!」



久しぶりの再会に嬉しくなった私は笑顔で挨拶をした。



「弥生お嬢様、お久しぶりです。また綺麗になられましたね。」



ほんとに彩雨さんはお世辞が上手だわ。



「そんなことないわよ。」



「あら、そうかしら?恋でもしているのかしら?」



彩雨さんはクスクスと笑いながら言った。



なっ…!!