「まぁ、どうするかは弥生に任せるわ。それに、今すぐにってものでは無いしね…」
「椿、本題は言っていいか?」
「あら、ごめんなさい。そっちがさきよね。」
「あぁ…」
本題って?
私の周りにあった報告だけでは無いのかしら?
何も聞いてないのですが?
私はちらっと桜を見た。
桜はこっちを見ようとしていない。
まぁ、なにか隠してるってことは薄々気づいてはいたけどね。
「急だが弥生、今日の18時からNo.3貴族夜蘭(ヤラン)家パーティーがある。すぐに準備してきなさい。もちろん昼食の後でもいいぞ。」
はぁあ?!
ちょっと待ってよ!
だからね…
謎が解けたわ…。
私は桜をギロっと睨んだ。
桜は肩を竦めた。
はぁ、しょうがないわね…。
「分かりました。準備してきます。桜」
『はーい!』
私は部屋を出ると私の小さい頃からの世話係兼メイドの彩雨(アヤメ)さんがいた。
彩雨さんだけはさん付けで呼んでいる。
それ以外はさんつけないんだけどね…
なんかお母様がそう呼んでいたから自然と私もそうなった。
「お久しぶりです、彩雨さん!」
久しぶりの再会に嬉しくなった私は笑顔で挨拶をした。
「弥生お嬢様、お久しぶりです。また綺麗になられましたね。」
ほんとに彩雨さんはお世辞が上手だわ。
「そんなことないわよ。」
「あら、そうかしら?恋でもしているのかしら?」
彩雨さんはクスクスと笑いながら言った。
なっ…!!
