──コンコン
「はい。」
「弥生です。」
「入れ。」
「失礼します。」
私は扉を開けて中に入った。
「やっと来たか、弥生。」
「遅れて申し訳ございません。お久しぶりです。お父様、お母様。」
約束の時間より五分ほど遅刻していた。
私としたことが…。
「弥生、学校はどう?楽しくやっているかしら?」
「はい、なんとか…それについて少しお話があります。」
「まぁ、そこ座れ。」
「えぇ。」
私はあったことを話した。
桜が少し特別な存在であることを葉月と皐月に話したこと。
散策中に大量の魔物が出てきたこと。
そして…
私が王族で春花家だということをSクラスの人達にばらしたこと。
全て話したあとお母様が聞いてきた。
「弥生、“あのこと”はまだ話していないのね?」
「それは……はい、まだです。」
お母様の言いたいことは何となくわかる。
きっとあれだ…
「弥生、ずっと隠しておくつもり?いずれかは知られるのよ?それに、あなた一人だけの問題では無いのよ?」
言うと思ったわ。
それはもちろんわかってる。
でも、私のことにほかの人たちを巻き込みたくないの…
お母様は私のあの運命のことを言っている。
これは私ひとりで何とかできるものでは無い…
私を含め12人が必要だ。
それもそんな軽いものでは無い。
