奇跡を起こした12の月光





~愛斗side~



弥生、思ってたより確信犯だ。



不意打ちで名前を呼ばないで欲しい…。



心の底から願う。



あの時はほんとに可愛かった。



心無しか少し照れた顔で俺の名前を自然に呼んだ。



一瞬気づかなかった。



だって、自然すぎて。



でも、気づいた時には弥生を抱きしめていた。



彼女は離してって言っていたけど、どうしても離したくなかった。



周りの声はうるさかったけど、そんなの気にならないくらい、目の前の彼女に意識を持ってかれていた。



あの後4人が来て仕方なく離したけど…



寮に帰ったあともそうだ。



葉月と皐月からの質問に否定しまくって、面倒くさそうな顔になっていた。



最近は出会った頃よりも表情が豊かになったと思う。



余計に弥生の笑った顔や照れた顔にやられてしまう。



ほんとに…。