~愛斗side~
弥生、思ってたより確信犯だ。
不意打ちで名前を呼ばないで欲しい…。
心の底から願う。
あの時はほんとに可愛かった。
心無しか少し照れた顔で俺の名前を自然に呼んだ。
一瞬気づかなかった。
だって、自然すぎて。
でも、気づいた時には弥生を抱きしめていた。
彼女は離してって言っていたけど、どうしても離したくなかった。
周りの声はうるさかったけど、そんなの気にならないくらい、目の前の彼女に意識を持ってかれていた。
あの後4人が来て仕方なく離したけど…
寮に帰ったあともそうだ。
葉月と皐月からの質問に否定しまくって、面倒くさそうな顔になっていた。
最近は出会った頃よりも表情が豊かになったと思う。
余計に弥生の笑った顔や照れた顔にやられてしまう。
ほんとに…。
