奇跡を起こした12の月光




「あっ、弥生顔…」



顔…?



あっ、そういえば少し掠ってたんだっけ?



「ヒーリング」



暖かな光が水無月くんのてから出た。



すると、跡形もなく傷跡は消えていった。



馬鹿なの?



ただでさえ、魔力結構使ってるのに…



私ははぁ…とため息をついた。



「水無月くん、手出して 」



私がそういうと、素直に手を出してきた。



「シェア」



私は水無月くんに魔力を少しあげた。



じゃないと、水無月くんが倒れてしまうからね。



「ありがと。」



水無月くんは少し照れている。



少しは可愛いところあるんじゃない。




楽しかった。



私はこの時少し、彼をパートナーとして受け入れた。



「行くか、なんか目をキラキラさせながら待ってる人たちいるし。」



「そうだね!行こっか、愛斗!!」



それだけを言って、みんなの所へ行こうとしたら…



急に腕が引っ張られた。



そしてふわりと柑橘系の匂いが香った。



何?!



なんか、抱き寄せられてる…?



「「「「「きゃーーーーー!!!!!!」」」」」



「…俺、弥生に負けたよ?」



それだけでわかってしまった。



顔が熱い。



「特別よ、楽しかったから……//」



私は赤い顔を隠すように下を向いた。



試合は終わったのに、まだチラホラと生徒たちがいる。



さっきからうるさい。