奇跡を起こした12の月光




どういうこと?!



「少し聞こえたけど、どういうことだ?まさか…お前ら今から戦うのか?」



これだから嫌なのよ!



絶対に知られた。



知られたとすれば必然的に……ほらね、やっぱり。



氷谷先生は他の先生に連絡していた。



めんどくさいことになったわ。



これは…弁解不可能ね。



その後すぐに校内放送が流れた。



《1時間目は自習となります。只今より1年のワンツーペアが魔法対決を行います。見たい方はすぐに第1競技場へと来てください。繰り返します──》



この声…理事長ね



もう、理事長は何をやっているのよ



「お爺様…」



はぁとため息をつく葉月の声が聞こえた。



え?



おじいさま…?



ここの理事長って葉月のお爺様なの?!



「おい、葉月。後で言っとけ。」



少しイラッとした声が聞こえた。



水無月くん…?



もしかしてこの様子だと、みんな知ってたの?!



「葉月のお爺様ここの理事長だったのね…。道理で…同じ苗字だと思ったわ。」



「あっ、言ってなかったっけ?そうよ、今勝手な放送したのは私のお爺様よ…」



「葉月、私からもお願いするわ。」



水無月くんが葉月に頼んでいたさっきの行動のこと、私は葉月に頼んだ。



「おけ!言っておくわ。とってもきつく。」



あっ、あとそれと…



私は氷谷先生の方を見た。



見たと言うより睨んだという方が正しいかもしれないわ。