奇跡を起こした12の月光





私のことを暖かく受け入れてくれたり、



可愛いふたりに抱きつかれたり、



自然すぎるほどに水無月くんは助けてくれたり。



わたしにはいい人が周りに沢山いる。



勿体ないくらいに…



「はいはい、みんなそこまで。今日は学校行くんだろ?」



神無月くんの言葉で2人は離れてくれた。



「それじゃあ、行きましょう。どこまで歩いていく?私は校門の前は絶対に通りたくないわ。」



服を正しながら私はみんなに聞いた。



「そうだね〜。あっ!裏門とかは?」



「裏門もダメだよ。あそこも待機してる人がいた。」



おぉ、さすが水無月くんだわ。



裏門での状況も知ってるなんて…



「じゃあ少し手前でテレポートする?」



「無難にそれで行こ!」



如月くんと皐月の会話ですぐに決まった。



みんなが順々に寮を出ていく。



私も出ようとしたところで誰かに腕を引っ張られた。



私も引き止めたのは水無月くん。



そういえば、さっき助けてもらったんだったわ。



「あっ、さっきはありがとう。倒れそうになったの助けてくれて。」



私は少し照れくさくて俯き気味に言った。



「怪我しなくてよかった。てか、もう名前呼んでくれないの?」



なっ?!



そんなこと急に言われても…