奇跡を起こした12の月光




ふと、時計を見た。



やばい!



もう行かなくちゃ…!



朝ごはんの片付けもしなくちゃいけないし…



私はサッとネックレスをかけ、鏡でちゃんと姿が戻ったことを確認すると、急いで荷物を持って部屋を出た。



「も〜、弥生ちゃん遅いよ〜!」



私が下へ降りるとみんなが待っていてくれていた。



さっきのこと、みんな怒ってないの…?



私はみんなを驚いた目で見た。



「なぁに?弥生。私たちが怒ってるとでも思った?」



えぇ、ものすごく。



だからすごい拍子抜け…



私が心の中で呟いていると、



「誰も怒ってないよ。僕達はそんなことで怒ったりしないからね」



みんなが優しすぎる…。



こんな嘘だらけの私とみんなは一緒にいてくれる。



「弥生ちゃん、私たちはいつも弥生ちゃんの味方だよ?だから、今は話せないことがあるかもしれないけど、いつかは話して欲しいな。」



皐月が照れたような顔で嬉しいことを言ってくれた。



もう、どうしましょう…。



私泣きそう…



「……う、みんなありがとう」



そんな温かい皆に答えるように私も満面の笑みを向けた。



「「…弥生!」」



「わっ…!」



皐月と、葉月が私に抱きついてきた。



2人に同時に飛びつかれて一瞬倒れそうになったけど、すかさず水無月くんが助けてくれた。



わぁっ…?!



もう、今すごく私の心がてんやわんやしてるわ。