あ〜、危なかった!
もう少しで力が大変なことになりそうだったわ。
私もまだまだね…。
て、それより!
私が婚約者候補って知ったあとの水無月くんが水無月じゃなかった気がする。
あ〜もう!
まだ、心臓がバクバクしている。
寿命が縮んだかと思ったわ。
あんな水無月くん初めて見たわ。
いつも余裕綽々なのにさっきは余裕がなさそうに見えた。
あくまで見えただけだから合ってるかは分からないけどね。
一瞬水無月くんに名前を呼ばれた時くすぐったい気持ちになった。
あれはなんだったのかしら?
男の子に名前なんて呼ばれたことないからかもしれないわ。
絶対そうよ。
私はそうよそうよと自分を納得させた。
まだ水無月くんの香りがほのかに残っている。
少し柑橘系の匂い…
甘すぎずキツくない爽やかな匂い…
あ〜ダメダメ!
その考えを振り払うように頭を振った。
明日からまた学校か…
もう早く寝よ。
『ちょっと、私が頑張ってる時に寝る〜?』
桜が少し怒ったように言った。
いけない!
桜のこと忘れてたわ。
もう、これもさっきのも全部水無月くんのせいだ!
「…ごめん。一緒に寝よっか!」
『うん!』
私は今日あったことを頑張って払拭して眠りについた。