「…と」



「ん?何、聞こえない。」



うぅ…



もう!



「愛斗!」



半分やけくそだった。



呼んだからすぐに離れてくれるのかと思いきや、何故か目の前が真っ暗になった。



ぇ、えっ?



どんな状況?



わたし、水無月くんに抱きしめられてる…?



今の状況を理解したら急にぶわっと恥ずかしさが襲ってきた。



「ちょっ!離れて!呼んだら離れてくれるって言ったじゃない!」



「…むり。ダメだ。もう少しだけ、許して。」



ちょっ!



私の返事も聞かずにさっきよりも強く抱きしめられた。



もう、今日の水無月くんほんとにわかんない!



「離れてよ!」



「うるさい。みんな起きちゃうよ?」



うるさいじゃないし…!



これなんの仕打ち?



私なにかしちゃった?



何もしてないよね…?



私は1人で自問自答していた。



しばらくして水無月くんがやっと離してくれた。



私はサッと水無月くんから距離をとった。



「何するのよ!」



「弥生が可愛すぎるのが悪い。」



はぁ?何言ってるのかほんとにわかんない!



それに弥生ってまだ呼んでるし…!



まぁ、それはまだいいけど…!



「…て。」



「…ん?」



「出てって!桜、水無月くんを頼んだわ。私は奥の部屋行ってる。」



私は桜に水無月くんを任して1番奥の部屋に行った。