「音川さん」
はぁ、ついに来てしまった。
さっき決めたとはいえ少し緊張している自分がいる。
私の本当のことを知ってみんなが離れていってしまったらどうしよう…
変に関係がギクシャクしてしまったらどうしよう…
今までの私なら考えられないほどの不安とネガティブな感情しかない。
もう既にみんなが集まっている。
ちゃんと覚悟を決めなきゃ…
「えぇ、わかっているわ。聞きたいことあるのでしょう?」
「うん。前も聞いたけど、単刀直入に聞く。音川さんは何者?」
この質問からきたか…
正直に答えるしかないわね。
「……私は…現国王様の娘、次期王女となるものよ。」
「「「「「?!」」」」」
「じき…お、うじょ?」
「えぇ。」
「でも、苗字が違うはず…。」
やっぱりそこに来るか…
まぁ当たり前よね。
次期王女となる人の苗字が違うっておかしいもの。
「えぇ…だって偽名だもの。本名は春花弥生(サクラ ヤヨイ)よ。学校でこの本名使えるわけがないわ。」
なるほど…!と言った顔でこちらを見ているみんな。
信じて貰えたかしら…?
じっとこちらを見るみんなの視線が痛い。
早く終わらないかしら…
言うよりも、聞いた時の反応が怖いわ。
「……他に聞きたいことは…?」
私は勇気を振り絞って水無月くんに聞いた。
「……」
