奇跡を起こした12の月光




2人の表情を見ると、いつもの事なんだと、すぐにわかった。



「雪人、皐月は太ってもいいんだってよ。」



葉月がからかうように言った。



「ちょっ、誰もそんなこと言ってないよ!」



「あれ?そうじゃないの?てっきり太ってもいいのかと思ってた。」



「違うよ!太るのは嫌だもん!でも、お菓子食べたいの…!」



皐月と葉月の可愛らしい会話がしばらく続いた。



いつまでやるのかしら?



すると、如月くんが皐月に言った。



「皐月、葉月との面白い言い合い何時までやるの?お菓子食べないの?」



「食べる」



如月くんは少し拗ねていた。



あれ?如月くんってもしかして…



ふーん…



面白いこと発見しちゃった。



皐月の方を見れば、少し悔しそう。



葉月にからかわれたからだろうか?



まあ、それはともかくようやく終わってよかったわ。



1回はじまったら終わらないってことがよくわかったわ。



これからは始まってもながそうかしら。



うん、それがいいわね。



1人で納得していると、



「音川さん、聞きたいことがあるんだけど…」



水無月くんがじっと真剣そうに私の方を見た。



なんか、断ったらダメな気がするし、水無月くんの表情が有無を言わせない。