~弥生side~
今日はほとんど帰るだけの日。
この合宿の最終日。
今私たちは帰るためのS専用車に乗っている。
このまま帰るだけ。
そして、帰ったらすぐに解散だ。
解散したあと、今日だけは特別に学校へ申請しなくても街へ行けることになっている。
午後10時までの門限付きだけどね。
だからこのあとは合宿の打ち上げをする人達が多い。
この機会にとほとんどが街へ出ていくのだ。
私は寮で寝ようかしら。
「弥生ちゃん〜!ねぇ、雪人がお菓子くれない〜…!」
しゅんとした皐月が拗ねた子犬のようにたれた耳が見える。
実際は生えてないけどね。
「音川さんごめんね。ほら、皐月あげるからおいで。ただ皐月食べ過ぎだから太るよって言っただけなのに…」
「うぅ…」
如月くんの言葉に何も言い返せない皐月。
これは…私に頼られても困るやつ。
「また始まったよ雪人と皐月の言い合い。」
ほんと仲良いよなそう言いながら神無月くんは笑っていた。
え?
よくあることなの?
私は残った2人の方を見た。
葉月も神無月くんと同じように笑ってるし、
水無月くんはほんとによくあることなのか、半ば呆れている。
