奇跡を起こした12の月光




「ここに来たってことは花火よね?」



「はい!お邪魔してもいいですか?」



「どうぞ、ゆっくりしていってね!」



深月さんは快く許してくれた。



「音川さん置いてくぞ!」



「えっ?!まって…!」



危うく神無月くんに置いてかれるところだったわ。



危ない危ない…



私たちは、神社のすぐ裏の高台に来ていた。



周りには建物などは特になくて、すごく見晴らしがいい。



こんな素敵なところ…あったのね〜。



「もう少しで始まるわよ。」



葉月の声に一気に緊張してきた。



花火を見るのは何年ぶりだろう…



最後に見たのは私が5歳くらいの時かしら…?



だとしたらもう、10年は経っているわね。



時間の流れって早いのね…。



そんなことを考えて、懐かしんでいると…



──ドーン!



綺麗な花が夜空に咲いた。



すごい綺麗…!



「始まったね。」



如月くんの言葉にそこにいる全員が頷いた。



「…あっ、ハート型!」



ほんとだ…!



とても綺麗なハート型の花火。



花火のハート型なんて初めて見たわよ。