「ここに来たってことは花火よね?」
「はい!お邪魔してもいいですか?」
「どうぞ、ゆっくりしていってね!」
深月さんは快く許してくれた。
「音川さん置いてくぞ!」
「えっ?!まって…!」
危うく神無月くんに置いてかれるところだったわ。
危ない危ない…
私たちは、神社のすぐ裏の高台に来ていた。
周りには建物などは特になくて、すごく見晴らしがいい。
こんな素敵なところ…あったのね〜。
「もう少しで始まるわよ。」
葉月の声に一気に緊張してきた。
花火を見るのは何年ぶりだろう…
最後に見たのは私が5歳くらいの時かしら…?
だとしたらもう、10年は経っているわね。
時間の流れって早いのね…。
そんなことを考えて、懐かしんでいると…
──ドーン!
綺麗な花が夜空に咲いた。
すごい綺麗…!
「始まったね。」
如月くんの言葉にそこにいる全員が頷いた。
「…あっ、ハート型!」
ほんとだ…!
とても綺麗なハート型の花火。
花火のハート型なんて初めて見たわよ。
