奇跡を起こした12の月光




そんな人を頼れるわけが無い。



それに、私の運命に巻き込みたくない…。



「何勘違いしてるか分からないけど、俺音川さんに頼られるの何気待ってるんだけど?」



その言葉に少しドキッとした。



そんな言葉桜以外誰にも言ってもらったことは無い。



どうして…?



「…なんで……?」



「そんなの、音川さんに1人で無理して欲しくないからだよ?それに、自覚してる?何隠してるのか知らないけど、Sクラスのみんなが音川さんに頼って欲しいって思ってるよ。」



…ナッ。



ずるいよ…。



急にそんなこと言われても…私…。



『弥生。もっと人を頼りな?頑張るのはいいけど、無理しすぎだよ。』



桜…。



『俺からも言っておく、愛斗の言ってることはほんとだ。こいつとのもう1人のパートナーとして断言するよ。』



頼る、か…



そんな言葉私には無縁だと思ってた。



「…わかった。今度からは無理はしない。桜のためにも。」



「分かればいいんだ。」



何よ、その上から目線。



『ほら、葉月達が下で待ってる。早く行くぞ。』



私たちはリビングへと向かった。



完全に回復してない私と桜は、愛斗と愛の手を借りてなんとかたどり着いた。



ドアを開けると真っ先に皐月が飛びついてきた。



葉月みたい…。



「弥生ちゃん〜…良かった〜…!!」



ボロボロと泣きながらそう言ってくれた。



ほんとにさっきの葉月みたいだわ。



「『心配かけてごめんなさい。』」



私と桜は頭を下げた。