奇跡を起こした12の月光





待っている間に何しようかしら?



数分はあるし……



魔力も結構寝たからほぼ元通りになっている。



私は桜の横に座った。



そして、桜に手をかざし、



「ヒーリング」



そう唱えた。



すると、さくらがあたたかい光に包まれた。



『…ん…』



「桜」



私は桜に少し、でも今あげられる魔力を送った。



桜に早く目を覚まして欲しかったし、何より心配だった。



私の唯一の心からの仲間と思える子だから。



桜に何かあったら私は絶対気が気じゃない。



『…やよ、い?』



「えぇ、そうよ。おはよう、桜」



私は桜が目を覚ましてくれたのが嬉しくて、心からの笑顔をむけた。



「良かった…無事だったのね。」



『それはこっちのセリフよ。』



「私は大丈夫よ。」



私たちはクスクスとしばらく笑いあった。



久しぶりに桜とこんなに笑ったかもしれないわ。



楽しい…!



『弥生…泣いた?隠しても無駄よ。私の目は誤魔化せないからね?』



「…さすがね。」



桜はほんとにすごい。



私のちょっぴりな変化にも気づいてくれる。



そんな桜がいるからいつも私は心強い。