「弥生…?…入るわよ。」
そういうと葉月が入ってきた。
「…?!弥生…?目が覚めたの…?!」
急に葉月が私に抱きついてきた。
ずっと見ていてくれていたのかしら?
それだったら申し訳ないわ。
「えぇ、ついさっき…」
「良かった〜…!!」
葉月は私に抱きついたまま泣き出してしまった。
心配してくれていたんだ…
私は心が暖かくなるような気がした。
「ねぇ、ひとつ聞いてもいいかしら?」
「もちろん!なんでも聞いてよ。」
私は、ここに誰が連れてきてくれたのか、それと、いつここに帰ってきたのかを聞いた。
「もう今午後7時だから、ざっと6時間前くらいかしら?愛斗が弥生を、愛が桜を、ここへ連れてきてくれたのよ?」
そうだったの?!
あの、水無月くんが?
信じられないわ。
でも、あの時の柑橘系の匂い…確かに嗅いだことあるような匂いだった。
「愛斗呼んでこようか?お礼、したいんじゃない?」
葉月にはお見通しか…
嫌な人とはいえ、私たちを助けてくれた一応恩人だ。
お礼は言わないとね。
「じゃあ、お願いします。」
「えぇ、ちょっとまっててね!」
葉月は優しい笑みを見せて、水無月くんを呼びに行ってくれた。
