奇跡を起こした12の月光





旅館へと戻ると、待ってたみんながいっせいにこっちへと来た。



「愛斗!愛!やっと帰ってきた!」



「弥生と桜は…?どうしたの?」



「大丈夫だよね?弥生ちゃんと桜ちゃん起きるわよね?」



「大丈夫だ。音川さんは魔力を使いすぎて気を失ってるだけだ。」



『桜も…パートナーが弱ってしまったから気を失ってるだけだ。』



「「良かった〜」」



葉月と皐月は、心底安心したような顔をして、少し涙ぐんでいた。



無事とは言えないが、帰ってきてよっぽど安心したんだろう。



それほど、心配してたんだな。



「とりあえず、寝かせたいんだが…」



「そうよね!弥生の部屋に、桜も一緒に連れてって上げて。多分桜のベッドもあるわ。」



葉月の言葉に感謝して、俺と愛は音川さんの部屋へと向かった。



ドアを開ければ、部屋いっぱいに癒しの力が充満していた。



きっと待っている間にみんながやっておいたんだろう。



これなら、2人とも早く目覚めそうだ。



「愛、そっちは大丈夫か?」



『あぁ、なんとかな。』



よかった。



これで一安心だな。



「戻るぞ。」



『おう。』



俺たちはリビングへと戻って行った。



その後たくさんの質問を受けたが、何があったのかは俺も詳しく知らないから、ほとんど答えられなかった。