旅館へと戻ると、待ってたみんながいっせいにこっちへと来た。
「愛斗!愛!やっと帰ってきた!」
「弥生と桜は…?どうしたの?」
「大丈夫だよね?弥生ちゃんと桜ちゃん起きるわよね?」
「大丈夫だ。音川さんは魔力を使いすぎて気を失ってるだけだ。」
『桜も…パートナーが弱ってしまったから気を失ってるだけだ。』
「「良かった〜」」
葉月と皐月は、心底安心したような顔をして、少し涙ぐんでいた。
無事とは言えないが、帰ってきてよっぽど安心したんだろう。
それほど、心配してたんだな。
「とりあえず、寝かせたいんだが…」
「そうよね!弥生の部屋に、桜も一緒に連れてって上げて。多分桜のベッドもあるわ。」
葉月の言葉に感謝して、俺と愛は音川さんの部屋へと向かった。
ドアを開ければ、部屋いっぱいに癒しの力が充満していた。
きっと待っている間にみんながやっておいたんだろう。
これなら、2人とも早く目覚めそうだ。
「愛、そっちは大丈夫か?」
『あぁ、なんとかな。』
よかった。
これで一安心だな。
「戻るぞ。」
『おう。』
俺たちはリビングへと戻って行った。
その後たくさんの質問を受けたが、何があったのかは俺も詳しく知らないから、ほとんど答えられなかった。
