『ほら、掴まれ。そのままじゃあお前もぶっ倒れるぞ。』
『私は大丈夫よ…それより、弥生のそばに居ないと…あのこ、心配…する……。』
桜はそういいパタリと気を失ってしまった。
人間と、ペットは一心同体。
片方のパートナーの力が弱まれば、もう片方のパートナーの力も弱まる。
それは、人間か、ペットかによって少し弱まり方が変わる。
もし、ペットが弱まってしまった場合、人間の方も力が弱まるが、半分ほどだ。
それも、人間は寝込むことはあまりない。
だが、人間が弱まってしまった場合は違う。
ペットはその力の3分の2を失い、ほぼ何も出来なくなり、人間と同様に寝込んでしまう。
今回は音川さんが弱まってしまったため、桜にも大きな影響が出たのだ。
それを見越して、俺は愛に頼んだ。
桜が気を失ってしまった時すぐに愛が受け止めたのはいいが、これが少しでも遅れていれば…。
それはともかく、早く2人を旅館に連れていかねば。
「愛、行くぞ。」
俺は音川さんを横抱きにし、愛は桜を背中に乗せて急いでテレポートした。
