奇跡を起こした12の月光




~愛斗side~



俺たちが音川さんのところに着くと、そこは何事も無かったかのように静まり返っていた。



もう、終わったのか?



あの短時間でか?



ほんとにアイツ何者だ…?



そんな疑問が思い浮かぶ中、愛の言葉に現実に戻された。



『おい、あれ見ろ!あれ、音川さんじゃないか…?落ちて言ってるぞ。』



愛の視線の先をみた。



それはまさに地面へと落下していく音川さんだった。



俺の体は自然と動いていた。



落下していく彼女の下に着いた瞬間、俺は抱きとめていた。



「…っぶね。」



『ナイス、さすが愛斗だな。』



『あっ、水無月くん!!弥生を抱きとめてくれてありがとう!私ではさすがに無理だから困ってたのよ!それより、早く弥生を……!』



弥生のペットの確か桜だったよな…?



「あぁ、わかってる。おい、愛。」



俺の一言で通じたのか、愛は俺の元からサッと桜の方へと行った。