~愛斗side~
俺たちが音川さんのところに着くと、そこは何事も無かったかのように静まり返っていた。
もう、終わったのか?
あの短時間でか?
ほんとにアイツ何者だ…?
そんな疑問が思い浮かぶ中、愛の言葉に現実に戻された。
『おい、あれ見ろ!あれ、音川さんじゃないか…?落ちて言ってるぞ。』
愛の視線の先をみた。
それはまさに地面へと落下していく音川さんだった。
俺の体は自然と動いていた。
落下していく彼女の下に着いた瞬間、俺は抱きとめていた。
「…っぶね。」
『ナイス、さすが愛斗だな。』
『あっ、水無月くん!!弥生を抱きとめてくれてありがとう!私ではさすがに無理だから困ってたのよ!それより、早く弥生を……!』
弥生のペットの確か桜だったよな…?
「あぁ、わかってる。おい、愛。」
俺の一言で通じたのか、愛は俺の元からサッと桜の方へと行った。
