奇跡を起こした12の月光




私はひとつの考えが浮かんでいた。



あの魔法は使うと威力は半端ないから、ここにいる魔物たちは1発で倒せる。



でも、それに伴い、魔力の消費も半端ないのだ。



でも、今はそれをするしかない。



気になって様子を見に来る人がいるかもしれない。



その人たちに被害は及ばせられない。



なら……!



私は、魔力を右の手になるべく集めた。



最後にあと400もの魔物を倒すため…



そして、この魔法を成功させるため。



普段なら簡単に出来る魔法…



だから、大丈夫なはず…!!



「リーフトルネード!!」



私は今出せる最大の力を振り絞って魔法を放った。



それは見事に大成功…。


よか…っ……た。


私は、魔物が1匹もいなくなったのを確認すると、力が抜けるのを感じた。



「……っ…はぁ………はっ……」



安心したのか、急に力が抜け息が苦しくなった。



思った以上に体が限界みたいだ。



『…弥生……?…弥生!!大丈夫…?!ねぇ…!!』



「さく…ら……。おもっ…た、いじょ…に…げんかい……ちかい…みたい。ごめ、んね?」



私はそれだけを言った。



私の体は垂直に地面へと落下していく。



そうだ…ここ、空の上だったわ。



忘れてたや…。



もう、自分では起き上がれないし…、瞼がどんどん重くなっていく。



私はついに、瞼がを閉じてしまった。



閉じる瞬間、ふわりと何かに抱きしめられている感じがした。