奇跡を起こした12の月光




※・※



「ヤバい…!!かっこいい!!」



「お人形さんみたい…!!すっごく可愛い…!!」



「「「「「美男美女!!」」」」」



えぇ…ただいま私はすごく気まずいです…。



それぞれのクラスが散策に出たのはいいものの…視線が痛い…。



それに、さっきからなんかコソコソ言ってるわ…。



隣には何故か水無月くんがいる。



ほんとにいろいろと理解が追いつかない。



「なぁ…」



「…?!……」



急に話しかけてくるからびっくりしちゃった。



「なんか、気味悪くないか?」



それは私も少し思ってたのよね〜…。



「えぇ…私も同意見。」



「今、まだ昼くらいだよな?なのに、なんでこんなにも薄暗いんだ…?」



そう、今はまだ散策開始から少ししか経っていない…。



時計も11時を指している。



「嫌な予感…。何事もなければいいけど…。」



そう心配したのもつかの間、急に辺りがもっと暗くなって、周りが見渡せないくらいになってしまった。



遠くから、悪意まみれの魔力が漂ってきた。



私は急いで臨戦態勢を整えた。



「桜!!」



『おけ!』



【今日散策しているペット達!!全員に指示する!!主人達を速やかに今日の旅館へ帰してください!!緊急事態です!!】



私が桜にお願いしたのは、今日散策をしている人達のペット達へのテレパシーでの指示。



桜の声には誰も逆らえないのだ。



そして、ペット達に指示すれば自然とペット達がテレポートを使って桜の指示通りに動く。



私がテレパシーを送るよりこっちの方が効率がいい。



私は、全ての人達が帰るのを待ってから、より一層周りを警戒した。