奇跡を起こした12の月光




「くじでおねがいします。」



私は、先生達に言った。



Sクラスのみんなは驚いて、私の方を見た。



普段こういうことはどうでもいいと思ってる私が発言したからだろう。



「あと、氷谷先生がくじ、引いてくださいね?」



私は少し圧をかけて言った。



この先生にはほとほと呆れている。



それのお返しよ。



すると、水無月くんは私の考えがわかったみたいで、



「俺も音川さんの意見に賛成です。」



水無月くんが微笑んだのを機に、他のSクラスの人も私の意見に賛成してくれた。



深い意味は知らないだろうけどね。



「…わかった。俺がくじを引くよ。」



氷谷先生は、少し肩身が狭そうだった。



私の圧がよかったのか、はたまたそうでは無いのか…。



それは分からないけど、とにかく意見が通ってよかったわ。



氷谷先生がくじを引き、星川理事長が発表するという、少しおかしな感じだわ。



「えと…ゴホン…
如月&日高ペア Dクラス
神無月&星川ペア Aクラス
水無月&音川ペア Eクラス」



そう発表されると、あちらこちらで、様々な反応が伺えた。



自分のクラスが当たって喜んでいる顔、



当たらなくて、氷谷先生などに対して怒っている顔、



自分のクラスじゃなくて悲しんでる顔、



これからの散策が楽しそうな顔…



ほんとに様々だ。



そんな中、先生・生徒達はそれぞれわかれ、順々に散策に出発して行った。