友江が笑顔で立っていた。



雅哉はホッと息をついた。



もしそこに立っているのが友江ではなく真戸華だったら・・・



そんなわけないだろう!



真戸華は消えたんだ。



もう、この世に存在しない・・・



「お昼一緒にどう?」



友江の言葉に、



「―――そうだな」



と、雅哉は立ち上がった。気晴らしにいいかもしれない。



友江が腕を絡めてくる。



「ねえ、どこに食べにいく?」



「なんでもいいよ」



「そう?じゃあ―――スパゲティなんてどう?」



友江はニコリと微笑んだ。



―――雅哉は何故かスッキリしなかった。



何かがまだ終わっていないような・・・



雅哉の横顔を見つめながら、友江はフフッと笑った。



―――あなただけ幸せになんてさせないわよ。



友江の目が一瞬赤く光ったことに、雅哉ははたして気付いただろうか?




二人はまるで、昔からの恋人のように腕をくんで出て行った。






おわり