「――あっ!」


真戸華が声を上げた。


「どうした?」


「部屋に財布忘れちゃったみたい」


と、ため息をつく。


「俺の金使えばいいだろ?」


雅哉の言葉に真戸華は少し考えて、


「旅館すぐそこだし、ちょっと取ってくる」


と走り出した。


「俺も行こうか?」


「ううん、雅哉はそこにいて」


笑顔で振り向く真戸華。




―――これが、最後の姿になるなんて・・・


・・・


・・・


・・・



―――数秒後



トラックの下敷きになった血まみれの真戸華がいた・・・