「雅哉は何にするの?」



「そうだな。―――じゃあ、俺もスパゲティ」



二人は注文を済ませると、空白の一年間を埋めるように話を始めた。



「あの日・・・あたし、トラックにひかれたでしょ?」



「・・・ああ」



「あのすぐ後、目が覚めて鏡を見たらこの【梢】って子の体に入っていたの」



真戸華は少し悲しそうな顔で雅哉を見た。



「―――この子には悪かったと思ってるわ。でも、あたしも死ぬのは嫌なの」



真戸華の目を見た瞬間、ゾッとした。



今までに見たこともないような鋭い目をしていたからだ。







「あたし、―――この子の身体を貰おうと思ってるの」



真戸華は平然と言い放った。