友江はそっと雅哉の腕に自分の腕を絡ませた。



雅哉は少し驚いたように友江を見て、それから微笑んだ。



ドキン

ドキン



友江は顔が紅潮していくのを感じた。



頭の中は雅哉のことばかり。



雅哉の方はというと、頭の中にあるのは真戸華のことばかりだった。



――――



一年振りに真戸華に再会してから、二週間が過ぎようとしている。



雅哉は毎日のように、真戸華に会いにあの喫茶店へ出向いていた。



―――今日も仕事を早く切り上げて会いにいこう。