「ねぇ、見て。これ美味しそう!」


真戸華は子供のようにハシャイでいる。


「休みが取れてよかったな」


「本当ね」


雅哉は楽しそうに笑う真戸華を見ながら、


ポケットに忍ばせておいた【あるモノ】をそっと確認した。



『婚約指輪』



―――この旅の間に、真戸華にプロポーズする。


雅哉は心に決めていた。