そして21時。


 3年1組の見慣れた景色を横目に、あたしたちは手を繋いで歌い出す。


「勝〜って嬉しいはないちもんめ」


『負け〜て悔しいはないちもんめ』


「千帆ちゃんがほしい」


『遥ちゃんがほしい』


 相変わらず、地獄から響いてくるような背筋の凍る声だ。


 それでも名前を呼ばれた遥は、強い瞳で前を向き続けていた。


「さ、はじめましょう。千帆を取り返すためのカミサマとのゲームを」