人々は、もう死んでしまって会えない人の小指を手に入れると、カミサマに頼んで会わせてもらうようになった。


 もちろん、死者を何の代償もなしに生き返らせることはできない。


 だから、人々が小指の持ち主に会えるのは儀式が行われる夜明けまでの短い時間だけだった。


 最初は多くの人がそれで満足していた。だけど、欲望はもっともっとと深く大きくなっていく。


 そして、裏はないちもんめは変わってしまった――。