オババが話してくれたのは、裏はないちもんめの意外な真実だった――。


「裏はないちもんめの始まりは、この花魁たちの――カミサマたちの三國町を思う気持ちだったんじゃ。


 三國町は、明治維新が起こり行き場をなくした江戸の花魁たちの受け皿として作られた。だから、悲しい過去を抱えた花魁たちが集まるのも必然じゃった。


 売られて別れざるを得なかった想い人にもう一目でいいから会いたい。両親と1度でいいから話したい。


 そんな人たちの思いを、カミサマたちはどうにか叶えたいと思ったんじゃなぁ」