そうだった。


 視界を奪われ死期が近いことを悟ったあたしは、美依が1階へ向かったことだけでも伝えようと3階の窓から身を投げた。


 そして大きな音につられカミサマが集まってくる中、それでも勇敢にあたしに近づいてくれた玉緒にそれを伝えると、そのまま事切れたのだった。


 あたしの伝言(てか遺言?)を受けて玉緒は1階を探し回ってくれたらしい。


 その後、家庭科室の前でふらつく美依の姿を見つけ、玉緒も遥もカミサマに捕まることがないままゲームは終了したそうだ。


「新菜のおかげで帰ってこれたよ、ありがとう」


 改めて美依に抱きしめられ、胸元に当たる豊満な感触に複雑な気持ちになりながらあたしは彼女の背中を抱き返した。


「美依こそ、音楽室ではかばってくれてありがとう」