もう、誰かが誰かを犠牲にして生き残るのは嫌だった。


 だからあたしたちは、恐怖を1人で背負うことになるとわかっていても、単独で美依を捜索することに決めた。


 1階が玉緒、3階が遥、もっとも階段が多く逃げ道の豊富な2階は初心者のあたしが探すことになった。


 誰だって死にたくはないはずなのに、何も言わずに2階を探させてくれる2人の気遣いが身に沁みる。


 今回こそは1回で、美依を見つけなきゃいけない。


 万が一今回のゲームで失敗しても、あたしたちはまた玉緒を探すだろう。だけどその場合、探せるのはあたしと遥だけ。


 回を重ねるごとに、人手はどんどん少なくなっていく。そして最後には……。


 想像すらしたくなかった。あたしたちは、絶対に美依を見つけるんだ。