とりあえず、これ以上この夜の学校にいても、あたしたちにできることはないようだった。


「奪われた子は……取り返せばいいから」


 遥のその言葉に、強く頷く。


 次のゲームで美依を取り返し、その次のゲームで千帆を取り返す。そして今度こそ、裏はないちもんめを終わらせてやる。


 校舎を出たあたしたちを、朝日が迎えていた。もう、朝か。


 家に帰ると、家族はまだ夢の中だった。あたしはこっそりベッドに潜り込み、束の間の睡眠を楽しんだのだった。


 ◇