美依の思いを無駄にするわけにはいかない。


 私はまた走り出す。


 途中で何度もカミサマの姿を発見し、その度に心臓をすり減らす思いをしてやり過ごしながら、私は校舎中を探し回った。


 だけど、どこにも千帆の姿はなかった――。


 途方にくれて涙を流すしかない私の背中に、青白い手が触れた。


 「弐」に隠された顔からは表情は読み取れない。


 そして次の瞬間、私の首は体と切り離された。


 ◇