カミサマに馬乗りになられる私の視界に入ったのは、必死の形相で走る新菜の姿だった。


 カミサマの着物の裾を掴むと、「早く!!」と私を逃がしてくれる。


 何だ、思ったよりいいやつじゃん。


 新菜に助けてもらった私は、新菜の分まで頑張って千帆を探さなきゃいけなかった。


 だから懸命に走って、校舎の半分以上を1人で駆け巡ったけど――。


「ない……」


 私が見つけたのは、廊下の真ん中でカミサマにちょん切られたことにも気づかずに倒れている新菜の姿と、職員室で息絶えている遥、そして音楽室で血まみれになっている美依だけだった。