ドンガラガッシャン!!!!!


 前の見えないあたしの耳に飛び込んできたのは、何かが落下する音だった。


 恐る恐る目を開けると、そこには――。


「死体が……ない……?」


 猫によってバランスを崩され落ちてきた棺は、ただ木製の箱だけがあたしの足元で転がっていた。


 本来その中に入っているはずの、千帆の遺体はどこにも見当たらない。


「――拾え、隠せ!」


 千帆のお父さんたちの怒号が聞こえる。