でも待って。あたしが首をちょん切られたのが事実なら……。


「なんであたしは生きてんの? なんであたしは生きてるのに、美依はいなくなってんの?」


 あたしの疑問に、答えてくれたのは遥だった。


「新菜は……カミサマにほしがられてない。美依はほしがられた」


 遥の短い説明はいくらなんでも短すぎるって感じだったけど、長年のあたしたちの付き合いはその説明でも理解できる脳をあたしに与えてくれていたみたいだ。


 はじめの歌い合いの中で、あたしたちは千帆をほしがった。それと同時に、カミサマは美依をほしいと歌っていた。


 今もここにいられるあたしと、いなくなってしまった美依との違いはそこにあるみたい。